債務整理したことは周囲の人に必ずバレるのか?
債務整理をしたことは,職場や家族,友人などにばれてしまうのか?ということを心配される方は多いです。
周囲にバレるのかバレないのかは,どの種類の債務整理を行うかによっても少し結論は異なってきますが,基本的に,周囲にバレることを恐れて手続きをとることを躊躇する必要はありません。
この記事では,債務整理の手続きごとに,周囲にバレる可能性について,解説していきます。
任意整理は,周囲にバレることなく進めることができる
債務整理には,任意整理・自己破産・個人再生といった種類があります。
この中でも,特に任意整理は,周囲にバレにくい方法といってよいでしょう。
任意整理とは,それぞれの債権者と直接交渉を行って,借金の総額や返済方法を決め直すことによって,返済の負担を軽減していく債務整理の方法です。
任意整理は,債権者と直接交渉をすることが必要になりますので,通常,弁護士などの専門家に依頼して進めていきます。弁護士に手続きを依頼した場合には,弁護士が代理人として手続きを行いますので,弁護士との連絡さえ取っていれば,ご依頼者ご本人がしなければならないことはほとんどありません。
後で詳しくご説明する「官報」にも,任意整理であれば掲載されることはありません。
また,弁護士からの郵便物も法律事務所の封筒を用いないなどの工夫をすることによって,一緒に暮らしている家族などにも知られることなく手続きを終えられることもあります。
自己破産や個人再生の場合
自己破産は,裁判所に申立てをして,自分の財産を処分して借金の返済に充てることを条件に,残りの借金を免除してもらう手続です。
また,個人再生は,裁判所に申立てをして,借金を減額してもらい,原則として3年間の分割払いで返済していくという計画を立てる手続です。
この自己破産や個人再生の場合には,手続きが開始されると,国が毎日発行する機関誌である「官報」に,名前や住所が掲載(「公告」)されることになっています。官報は,見ようと思えば誰でも見ることができるものです。
もっとも,官報は,あまり一般の人が読むものではないので,官報に掲載されたために周囲にバレてしまうというようなことは,通常の場合,ほとんどありません。そのため,官報から債務整理の事実がバレてしまう心配はそれほど大きくないといえます。
また,勤務先の会社にバレてしまうのではないか?と心配される方も多いのですが,自己破産や個人再生の手続きをとったからといって,勤務先に通知がいくなどということはありません。ただし,債権者には通知されますので,勤務先からも借り入れをしている場合には,債権者である勤務先にも裁判所からの通知がいくことになります。そのため,この場合には,勤務先会社にも知られてしまうことになりますので,注意が必要です。
また,勤務先に自己破産や個人再生手続きについて説明する必要までありませんが,ケースによっては,源泉徴収票や雇用契約書,就業規則など,勤務先作成の書類が必要になる場合があります。
自己破産や個人再生の場合,家族の協力はあった方が良い
先ほどご説明したように,自己破産や個人再生であっても,周囲に知られてしまう可能性はそれほど高くありません。
もっとも,これらの手続きの場合,裁判所に対して,同居の家族の収入に関する書類を提出する必要がありますし,自宅などの大きな財産を失うこともあり得ます。
そのため,家族に伝えることなく手続きを進めることは難しい場合が多いといえます。
また,債務整理後の生活を立て直すためにも,家族の協力はとても重要ですので,可能であれば,家族とはきちんと話し合って手続きを進めた方が良いでしょう。
弁護士にご依頼いただくことで周囲にバレる可能性は低くなる
任意整理の場合でも,もし自分で債権者と交渉を行おうとすれば,債権者とのやり取りが頻繁になったり郵便物が届いたりしますので,家族にバレてしまう可能性は高まります。
また,自己破産や個人再生を自分で裁判所に申し立てる場合,裁判所から郵便物が届いたり頻繁に連絡があったりもしますので,周囲に隠し通しておくことは難しいかもしれません。
弁護士にご依頼いただければ,弁護士が債権者や裁判所とのやり取りをすべて代理して行いますので,他人に知られてしまう可能性は低くなります。
借金問題は弁護士にご相談ください
債務整理は,借金問題を解決するための有効な手段ですが,周囲に知られるリスクをはじめとして,手続きを行うことにどのようなリスクがあるのか,不安に感じられる方も多いと思います。
弁護士にご相談いただくことで,事前に丁寧にアドバイスを受けることができますので,安心して手続きを進めていくことが可能になります。
周りにバレることなどを過度に心配して借金問題を放置してしまうと,事態が悪化することもあります。
ですから,借金問題でお悩みの場合には,まずはお早めに弁護士にご相談ください。